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ラブソングが、歌えない・・・

入団して初めて「本格的なラブソング」を歌う機会に出会いました。

 

まだ見ぬパミーナ姫に恋をし、熱く燃える胸の内を朗々と歌い上げる王子タミーノの「アリア」です。これまでは、嫉妬、恨み、怒り、あきらめ等「訳あり男の恨み節的アリア」を歌うことが多かったので、今回はちょっと気分が高揚しています。

 

ところが、モーツァルトは、このテノールの「アリア」をまさか200年後の「ど素人」が歌うとは思っていなかったようで、ご多分にもれず高音の連続で作曲しています。おかげさまで、私は大いに苦しんでおります。

 

本来ならば、まだ見ぬ恋人に捧げる素敵なアリアですが、私が歌うと、喉を絞められ瀕死の状態にある「ダチョウ」のアリアのようになってしまうからです。

 

おお、神よ。私にもラブソングを艶っぽく歌えるテクニックと潤いのある声帯をお恵み下さい。

tetsuya